BRANCHING PATHS
日本インディーゲームシーンを追い続けたドキュメンタリー映像作品
『Branching Paths』は、まさしく今"岐路"に佇む日本のインディーゲームシーンに携わるデベロッパー、パブリッシャー、そしてそれに引き寄せられた多くの人々が織り成す世界を映し出したドキュメンタリー映像作品です。
これは、日本のインディーゲームシーンを巡る、2年に及ぶ旅の記録。
世界をけん引してきた日本のゲームシーンはどこへ?
80年代から2000年代まで、日本のゲームは世界中の人々を熱狂させ続けてきました。しかし、近年は大きなリスクを背負うことが出来なくなり、ワクワクするようなゲームを創造するシーンは、独創的で創造性を有する小規模なゲーム開発者たち"インディーゲーム"シーンに取って代わられつつあります。
では、世界をけん引してきた日本のゲームシーンは、今どうなっているのか?また、日本にはインディーゲームは存在するのか?それは、いったいどのようなものなのか?海外ではそうした声が聞かれていました。
フランス人監督が映し出した、日本インディーゲームシーンの"現在"
そんな中、2013年に東京ゲームショウが初めてインディーゲームを主役に据えたブースを展開することになりました。
『これは日本において新たなムーブメントの始まりとなり得るのだろうか?』日本のゲームに影響を受けてきたフランス人の映像ディレクターであるアン・フェレロ監督は、その疑問を胸に、日本のインディーゲームシーンを巡る旅をはじめました。その旅は実に2年間に及び、80名以上の関係者に取材を重ねてきました。
モザイク的に映し出される多種多様な立場
本作には、コミケを中心に活動する人や海外に向けて販売を期す人、また独立した業界のベテランなど、様々な立場のクリエイターが登場します。また、クリエイターだけではありません。メディアやパブリッシャー・プラットフォーマー、さらにはイベント運営者ミドルウェアなど、それを支える人も多種多様な立場から日本のインディーゲームシーンへの思いを語ります。そうして紡ぎ出された日本のインディゲームシーンは、決して一様なものではなく、さまざまな表情を持つモザイク的なものとして映し出されていきます。
新たなゲーム開発スタイルの息吹
アン・フェレロ監督が本作のための撮影を始めてから、ひとつのゲームが現れました。それが、moppin氏による『Downwell』です。彼は、ゲーム開発のベテランではなく、国内外の数々のインディーゲームに影響を受け、ゲームをつくり始めたひとりの学生でした。日本のインディーゲームシーンにおいて、何の背景もないまったく新しい才能が国内外でどのように認知され、発売に至ったのか。またどのような評価を受けたのか。日本における新たなゲーム開発の在り方を知ることができます。
クリエイティブに携わるすべての人へ
本作は決して成功ストーリーを追った作品でありません。また、明確な主題を伝えるものでもありません。ここに描かれているのは、様々な立場の"自分がつくりたいものをつくる"という意思を持ったクリエイターたちが、時に苦しみもがきながら、それぞれの立場で実現していく姿です。インディーゲーム開発者、またインディーゲームファンはもちろん、クリエイティブに携わるすべての人にとって、感じるものがある作品となっています。ぜひご覧ください。